2013年4月20日土曜日

ニットが似合うロック・スターは誰だ その5

ニット・ロックシリーズ、今回はスターという呼び名にふさわしいスターのなかのスター、ロイ・オービソンです。名前をご存じない方でも、代表曲のいくつかを聴けばきっと「知ってる!」ってなるはず。なかでも「オー・プリティ・ウーマン」は、リチャード・ギアとジュリア・ロバーツ主演の映画『プリティ・ウーマン』の主題歌になったので、妙齢の?女子にもお馴染みではないでしょうか。


サングラスがトレードマーク。

あのビートルズと対バンしてたなんて! 当時の人気ぶりがうかがえます。ほんとに偉大なシンガーだったんですね。

私が知ったのはもちろん60年代の人気絶頂期ではないのですが(笑)、知れば知るほどすごい人だったんだなーと思います。

そんなロック史に残る大スターなのですが、私にはこのニットのカーディガンがとっても印象的です。


ドルマン・スリーブ?っぽい個性的なデザイン。着る人を選ぶ、一歩間違えるとかなり危険な領域に足を突っ込んじゃいそうなユニークなカーディガン。だけどこの服を着たロイ・オービソンの画像はかなりあちこちで見かけます。彼のお気に入りだったのかな?

彼が着ると上品でシャイでやさしくて、そんなキャラクターにぴったりだと思います。

話は逸れますが1960~70年代って、メンズニットの世界もかなり個性的なデザインが多かったのではないでしょうか。ということで私の秘蔵画像をお目にかけちゃいます。じゃ~ん!


男のベルト付きセーター特集。なんか自由でいいなあ。ボヘミアンな香りがする(笑)。


さて、昔、図書館でトム・ウェイツの評伝を借りて読んだのですが、そのなかにトム・ウェイツやエルヴィス・コステロ、ブルース・スプリングスティーンなどが参加したロイのトリビュート・コンサートのことが出てきます。

トム・ウェイツにとってもロイは憧れのシンガーだったので、あるとき聞いてみたそうです。

「どうしてあなたはそんなに寂しげな声で歌えるのですか?」

それで、ロイ・オービソンが
「わたしはテキサスのだだっ広い平原で生まれ育ち、周囲30kmは家1軒建ってないような何もないところだった。夜になると100km離れた芝居小屋から淋しげな音楽が風に乗って聞こえてきたのでそれでこういう声になったんじゃないかと思う」
みたいなことを答えるのです。

何年も前に読んだので内容は正確じゃないです。たぶん細部は違ってると思います。だけどこの話がとても印象的で、以来ロイの曲を聴くと、行ったこともないテキサスの大平原の風景が目に浮かぶのです。