それほど気候の変化が急激ですよね。
久しぶりにウェアを編みました。
梅雨まっさかりの6月。所用で深川のほうに行った際、かねてから気になっていた清澄白河の onnellinenさんを訪れました。毛糸屋さんではなくて、北欧や日本のすてきなものを集めた雑貨屋さんです。この手のおしゃれな雑貨屋さんというのは、小心者の私には、ときどきおしゃれ過ぎて敷居が高く感じられることもあるのですが(汗)、このお店はとってもセンスが良いのに居心地がよくて、大好きになりました。
それはおそらく気さくに話してくださる店主さんの人柄に寄るところが大きいと思います。それと、セレクトされている商品が、生活に根ざしたものとおしゃれで個性的なものと、絶妙なバランスで並んでいるからではないかと思うのです。
それからやっぱり「場所」も影響しているのかな。
『鬼平犯科帳』の愛読者の私(テレビドラマじゃなくて原作のほうね)。この夏もほぼ全巻読み直してしまった(笑)。深川という土地は鬼平の舞台になっていて、いまだにそこかしこに江戸情緒が感じられるというか、なんかその辺に粂八が歩いていそうな(笑)、そんな気がするのです。江戸の庶民の気取らない賑わいが、ここには確かに残っています。
ちなみに清澄白河はおしゃれなお店がたくさん! 特に古本屋さんの「しまぶっく」さんはオーナーさんと読書の趣味が似ているみたいで、お店ごと買って帰りたくなるくらい。
話は逸れましたが、onnellinenに入ると左側の壁に毛糸のコーナーがありました。これから夏という季節外れでしたので、並んでいるのはウールとコットンが半々のデンマークの糸「Holst Garn Coast」。その横にサンプルのベストが飾られていて、触ってみるとその柔らかさ、心地よさ、軽さにびっくり! 私の驚きを感じ取ったのか(笑)、店主さんが話しかけてくださって、「これ3玉(150g)で編めちゃうんですよ」と教えてくださいました。
その後も「歳を取ると軽い服がうれしくてねえ」などとおばあちゃんみたいな会話を楽しんだりして、気がつけばかなり長いことおしゃべりしていました。結局、最初に目に入ったブルーの糸を3玉購入。ベストのパターンもいただいてきました。
それから2か月以上が経過。みるみる暑くなり、編み物のペースが落ち、途中違うクラフトに夢中になったりして、ようやく完成しました!
パターンはお店と同じく、シンプルだけどセンスのいいデザイン。誰にでも編めて誰にでも似合い、誰でもおしゃれに見えるベストだと思う。使うのは表編みと裏編みだけ。脇の市松模様と、襟元のかのこ編みが程よいアクセントです。前身頃のほうが幅が広いので、着ると自然なドレープが生まれます。
パターンでは前と後ろの身頃を別々に編んで最後にとじる指定でしたが、とじはぎが苦手な私は裾から脇下まで輪編みでぐるぐると編んでから前後に分けて往復編み、肩だけつなぎました。常に極力シームレスを心がけるヘタレな私。
ただし、作り目は別糸で作っておいて、最後にほどき、i-cord bind offで仕上げました。ここがこだわり、かな。300目以上あるので、2日間かかりましたけど。
あ、それとサンプルのサイズが私にはかなり大きい感じだったので、目数を1割ほど減らしました。いただいたA4ペラのパターンは相当ざっくりとした書き方(笑)で、おかげで私もアレンジを楽しめました。こういうゆるい感じ、好きだなあ。
3玉で編めますよということでしたが、出来上がってみたら糸がだいぶ余りました。指定より小さく編んだしね。試しに重さを計ってみたら110グラムでした。これは、かなり、軽い! 余った糸でまだ何か編めそうです。この糸、気に入りました。最高。
そしてこのベスト、もう少し涼しくなったら活躍すること必定。シャツに合わせてもよし、タートルネックのセーターに合わせてもよし、ボーダーのカットソーなんかも似合いそうな、
(まさに鬼平のように懐の深い......)
このことである。
↑池波先生の文体を真似てみました(笑)。読んだことある人にはきっと分かると思う(笑)。