2011年6月16日木曜日

くつした4号完成 - ぎりぎりソックス

くつした4号、完成しました。



一応、目標にしていた「父の日」に間に合いました!
でもこれだけで送るのはちょっと自信がない(笑)ので、父の好きなコーヒーもいっしょに送ろうかなと思います。まだそっちの準備もしてないし、届くのは父の日を過ぎるだろうなあ……。

締め切りがある仕事なんて、会社を辞めて以来久しぶりだなあ。このホッとした感じ、久々に味わいました。で、恒例のひとり反省会;

  1. 輪針には慣れました。むしろ棒針には戻れないかも。編み始めたときに「輪針は目が落っこちる心配ないから安心♪」みたいなことを書きましたが、ウソです、実際には落ちまくりでした(笑)。1段編み終えて「あーやれやれ」って、何を思ったか編み終えた目が並んでいるほうの針をピューッ!と引っこ抜いちゃったこともあった。魔が差したとしか思えません。ツルンと滑りのいいaddiの針は、確かに編むのが速くなりますが、取り扱いには要注意。
  2.  自分の靴下を編んだ後だったので、こんなに大きい靴下でいいのか不安になった。こっそり相棒に試着してもらったら意外とピッタリだった。男物ってそんなもんか。
  3.  ちょっと糸が割れちゃった。どうすれば割れずにキレイに目が揃うんだろう。。
  4. 一応左右の模様を合わせようと思って、編み始める場所を同じにするために余分な毛糸を切って編んだので、毛糸がギリッギリで足りた。冷や汗かいた。それなのに左右で微妙に、というか明らかにズレた。 


相変わらず編むのは下手っぴーで、編み目が安定していないから靴下の右と左で大きさが違っちゃうし、目を落としては「ヒー!」と叫んじゃうし、毛糸が割れて汚くなっちゃう私ですが、今回の靴下の後半で少しわかってきたことがあります。

編みぐるみ作家のタカモリ・トモコさんが「ほぼ日」でおっしゃってたんだけど、
毛糸は「我」が入ることを嫌うと、私は思っています。
毛糸のおかげ、毛糸を使わせてもらっているという気持ちで編んでくれると
私はとてもうれしいです。
って。「羊のおかげ」みたいな表現を使ってたと思うけど、それを読んで、なんか日本らしい考え方でとてもすてきだなあと思ったのです。


法隆寺の修復を手がけた宮大工棟梁・西岡常一さんの本(正確には聞き書き)を読んだことがあるんだけど、なにかを建てるときに昔の大工さんは山をまるごと買ったと。で、木にも日当たりのいい場所でまっすぐ育ったもの、幹が曲がりくねったもの、丈夫な木、弱い木、いろいろあるんだけど、それぞれの特性やクセを見抜いて、適材適所に使う、みたいなことを言ってました。

どんな木も規格の寸法どおりにまっすぐ切って使うんじゃダメなんですって。それだと10年後、50年後、100年後にクセが出て、曲がったりねじれたりする。木のクセを知って、100年後の姿を感じて、そのうえで木を活かす。

西岡さんのお話は建築という枠を超えた大切なものが詰まっていて、ほんとうにおもしろくて大好きなんだけど、タカモリさんの言ってることもそれに通じるものがあるなーと思ったのです。

ま、編み物をする人が羊を1頭まるごと買って、「この柔らかいおなかの毛はストールか赤ちゃんのセーターにしよう、背中のところはお父さんのベストね」みたいなことをするのはまず無理だと思いますが(笑)、毛糸のもつ特性を活かして、羊の気持ちになって編むというのかな、うまく表現できないんですが、そういう心構えで編むと素材を生かしたいい作品になるんじゃないかなーと。うまい下手の問題じゃなく。

で、今回はそよ風が吹いて気持ちのいい牧場でおいしそうに草を食べている羊さんたちのことを想像したりしながら(笑)、毛糸を押さえつけないように気をつけて編むようにしてみました。そうしたら、いままでよりなんとなくふっくらと仕上がったような…気が…するんですが、気のせいかな(笑)。編み物を長くされている方はきっとそういうことを意識せずにできるんだろうなーと思いました。やっぱり手仕事ってすてきです。



なんだか長くなっちゃいましたが、今回は「ぎりぎりソックス」と名づけました。父の日ギリギリだったのと、毛糸がギリギリで間に合ったというハラハラドキドキな日々を表現したものでございます。
上の写真は、クリーニング屋さんのハンガーで作ったお手製ソックブロッカー(笑)。適当に曲げただけ。ちゃんとしたの、欲しいです。