2013年11月13日水曜日

カーディガン完成 - ウルスラの新世界カーディガン

この秋から新しい仕事を始め、生活のリズムがすっかり変わりました。
それでも毎朝出勤前にヨガをやったり、編み物の時間を確保するためにあれこれ工夫したり、生活にメリハリができて今のところいい感じです。

暑かった夏の終わりから編み始めていたカーディガンがようやく完成しました。


昨年12月に出版されたKate Daviesさんの本『Colours of Shetland』からUrsula Cardiganです。彼女のデザインは身近な自然や伝統、歴史などにインスパイアされていて、ひとつひとつにストーリーがあるのがとても魅力的です。

私は発売初日に注文して、ありがたいことに直筆サイン本を送っていただき、以来ずーっと眺めていたのですが、ようやくウェアが編めました。

とはいえ、本の中にも「このカーディガンは本のなかで最もチャレンジングなデザイン」と書かれているように、私には難易度が高かった・・・。

まずはいつものようにスワッチを編んで色を決めて編み始めたのですが、身頃も半分くらい編んでしまってからどうしても色合わせが気に入らなくなり、全部ほどいて編み直したり。

袖も両方とも編んでしまってから「やっぱりもう少し長めにしたい」と思ってまたほどいて。そして最後に苦手な前立てと衿のゴム編みを何度もやり直し。

いつも以上になかなか進みませんでした。

さらに初めて遭遇するテクニックもありました。それは袖山の編み方。引き返し編みで形を作りながら編んでいくのですが、パターンには「キャロル・サンデイのショートロウで」と書かれています。実は今までショートロウ=ラップ&ターンのことだと思っていたので、ショートロウにいくつかの種類があるなんて驚きでした。

で、検索しながらなんとか挑戦。キャロルさん曰く「日本の引き返し編みに似ている」そうです。恥ずかしながら日本の引き返し編みに詳しくないのでよく分からないのですが、やり方自体はそれほど難しくなかったですよ。むしろ楽しめました。


気に入ったのが前立ての始末のしかた。ボタン穴を開けずにゴム編みし、糸始末やブロッキングが済んでから、最後に前立ての裏側にリボンを縫いつけます。

こうすることで着ているうちにボタン穴が大きく広がったり前立てが伸びてしまうのが防げるのですね。裏側からリボンで補強することで下手なゴム編みも多少は形がしゃんとなって見えて、うれしいです。

リボンを探すのも楽しかったし、この方法はこれからも使っていきたいな。


左右の身頃をとめるのは透明スナップで。ボタンは飾りボタンです。1920年代のアンティークのチェコ・ガラスのボタンをつけました。

作業的にはけっこう手間だけど、手間を惜しんではいけないと自分を戒めながら頑張りましたよ(笑)。


新しいことにたくさん出会えたパターン。またひとつお気に入りが増えました。そんな訳で「新世界カーディガン」と命名しました。



2013年9月29日日曜日

帽子完成 - Purl Beret(究極のシンプル・ベレー)

編み物を始め、Ravelryや英文パターンに挑戦し始めてから、これまで見たこともなかったのにいきなり日常的に使用する英単語トップ・スリーに急上昇してしまったワードは「purl」=裏編み ではないかと思うのです。

今までだったら「パール」と聞けば「ああ、真珠ね」と思うばかりだったのが、今じゃ反射的に「裏編み」。というか、Pの一文字だけでそれはすでに私の中ではパーキングではなく裏編みを意味している、というくらい。

というわけでニューヨークはマンハッタンにある(らしい)おしゃれな手芸屋さん「Purl Soho」は死ぬまでに一度は行ってみたい場所ですが、そのブログ「Purl Bee」(裏編みバチ?)からベレー帽を編みました。


ご覧の通り名前は「裏編みベレー」ですが、ゴム編みのブリム以外はすべてメリヤス編み。パターンにも「P」はほとんど出てこないのですが、ま、細かいことは気にせず、Purl SohoのベレーだからPurl Beretなんだ、ということで。

糸は鬼平ベストの残りのHolst Garn Coast。50グラム玉を3つ買って、ベストと帽子を編んでまだ余っているのですから、ちょっと得した気分♪

難しいテクニックは一切なし。あ、てっぺんのポッチはi-cordだけどそれだけ。これ以上ないくらいシンプルな帽子なんです。だけど普段使うにはこんなベレーもいいな。編んでいても楽しかったです。

パターンではゴム編みからてっぺんまですべて3.25mmの針で編む指定ですが、多くの人が指摘しているように出来上がりがブカブカになる可能性が。頭の大きさにもよりますが。キュッとしたかぶり心地をお望みでしたら、ゴム編み部分だけ2mmで編むなど工夫が必要かもしれません。本体の高さもパターンより少し長めに編みました。パターン通りだと平べったい感じの帽子になるみたいです。

パターン自体シンプルなだけに各自工夫してね、ということなのかな。

とはいえ、たまにはこういう極限までそぎ落としたワビサビな編み物もいいものです。禅に通じるものがある(笑)。


2013年9月23日月曜日

ミトン完成 - 夏の終わりミトン


今さらですが、今年の夏は暑かった。暑すぎて夏バテして体調までおかしくなって病院のお世話になるなんて経験は生まれて初めてだったので自分でも驚きました。冬生まれのくせに寒いのが苦手で、どちらかというと暑いほうが得意だと思っていただけに、余計にです。

で、暑さのせいで脳みそも少し融けたのか、編み物のほうはトーンダウン。しばらく編み針を持たない日が続き、元々飽きっぽい性格なので「あー、ついに編み物飽きちゃったのかな私」と思ったり。

ところが8月が終わり9月の声を聞いた途端、残暑というには控えめすぎるほど真夏と同じくらい毎日暑いのに、突然スイッチが入ったように編みたくなりました。100%ウールのあったか毛糸をね。手持ちの毛糸を見直して、何を編もうかなとウキウキ考えたり、本やRavelryを眺めてはニヤニヤしたり、毛糸屋さんのサイトを穴があくほど見つめたり。

なんだ飽きてなかったんだ、ようし、編むぞー!と気分も新たに編み始め。ちょっと離れてみて思った。やっぱり編み物っておもしろい。

てなわけで、ミトンを編みました。


春に編んだフェアアイル・ベストの毛糸が余っていたので、それを使いました。パターンはKate Daviesさんの本『Colours of Shetland』から Ursula Mittensです。本来ならばこのミトンには可愛らしいお花のモチーフが編み込まれているのですが、まだ9月の初めの暑い時期に編み始めたため、涼しげな感じがいいなーとあれこれやっているうちに、フェアアイルの伝統的なモチーフのなかから木のモチーフを見つけ、パターンに合うように少しアレンジして編み込んでみました。色も涼しげに。というか、要するにブルーとグリーンが好きなんですよね。ちょっとファミリーマートっぽいなと思いつつ(笑)。


親指の色も大好きなブルー。
オリジナル・デザインではないけれど、オリジナル風味のアレンジを効かせた夏の終わりのミトンが出来上がりました。寒くなるのが待ち遠しくなります。